成功に必要な3点セット

 今日のテーマは、成功者に見られる共通要素についてお話をしてみたいと思います。抽象的な話ですが、これは私が世の中を観察している中で、この人はすごいなと思う成功者の方々に見られるおそらく特徴でもあります。

結論を先に言います。以下の3つです。

成功者の3点セット

  1. どこを目指しているのかを理解している(目的)。
  2. なぜそこを目指すのか、その理由を把握している(理由)。
  3. どうすればそこに行けるのか、その方法を知っている(方法)。 

1. 行き先を明確にする

 まず1についての説明ですが、私が思う成功者は、ご自身がどこに向かっているのかを誰よりもクリアに理解しているように思います。言い換えれば、着地点であり、ゴール、方向性の具体化とも言えます。

 なぜ、目指すべき方向性(ゴール)がクリアであることは大切なのでしょうか。それは、日々の活動が目的に対して効果的であるかを常に仕訳できるからです。目的にとって役に立たない無益なことを排除・回避して、効果的なことだけを集中的に選択していけるからです。思い付きで毎日バラバラなことをしていないということ。自分の命と等しい有限の時間を「活かしている」とも言えます。

 逆に言えば、もし向かうべきゴールが分かっていないと、「今日の今日、私は何をすべきなのかがよく分からないし、これが無意味なのか、意味があるのかも判別できない」ということになってきます。そもそも自分がやっていることが無益かどうかを疑うことさえなくなります。迷走・思考停止と言えますが、これらは行き先が決まっていないために、起きてしまいます。ここに想像を超えるほどの時間的な(生命の)ロスが生じているはずです。

2. そこを目指す動機を固める

 次に、2についての説明です。そこを目指す必要があると断言できる人は強い人です。理由というのは動機であり、モチベーションです。ゴールに至るまでには沢山の試行錯誤や試練、失敗があり、時には気持ちが落ち込むこともあります。ただ、そんな時でもゴールを目指すべき理由が明確であるほど、どんな苦境やスランプをも乗り越えていけます。何度倒されても起き上がることができます。「パワー」そのものに馬力の違いが表れてくるわけです。いつでもパワフルな人は、内面の奥底に潜む動機が強烈です。ちょっとやそっとでは、この炎は消えることがありません。

3. 行くための方法を探る

 最後に、3について。目的が分かっていて、そこに行く動機を自分が得ていたとしても、辿り着くための方法を分かっていなければ、ただの空想になってしまいます。行くための方法までを知っていて初めて実現が可能になります。そのため、テクニカル的にはこの方法論がもっとも大切です。ただ、世の中は方法に固着し過ぎる傾向があると思います。方法よりもっとメタ的な目的と理由の方がより大きな力を持っている気がしています。

 なお、ゴールに到達するための方法を把握するためには知恵と経験が求められます。ですから、経験が乏しいうちは、その方法自体が仮説にならざるを得ません。「多分こうすれば目的地に近づくのではないかな」という仮定です。当初は知っている範囲で方法を想像するしかありませんし、行動しながら学んでいく他はありません。その仮定は間違うこともありますし、時には正しいこともあります。間違っていた場合には、修正をして正しい方法論に近づけていくまで粘ることになります。正しい方法に早く行き着くことができれば、それだけ成功までの時間が短縮できます。

 インターネット上を見る限りですが、最近の20代~30代前半くらいの私よりも若い人達は本当にすごいなと感じています。そうした若き成功者たちも、年齢を問わず、目的・理由・方法の3点セットが明確になっているのではないでしょうか。特にゴールに至る方法までを知っている人は、既に強力な成長サイクルに入っているため、周囲はただただ驚くばかりです。

  1. 目的地
  2. 行く理由
  3. その方法

を知っている。

 ものすごくシンプルな話です。人によっては、つまらない自己啓発に感じるかもしれませんね。ただ、私は色々な経験をした今になってこそ、当たり前のこの3つが大切であると思っています。この3つのポイントについて、しっかりと答えるのはそれほど簡単なことではないと思うからです。

目的を鮮明に持っていないとどうなるでしょうか?

 必然的にそこを目指す理由も存在しません。目的がなければ、その方法論も存在するはずがありません。つまり、目的地を決めることは全ての始まりです。

3つのポイントが明確になっている人は以下の状態です。

  • 目的と方法が分かっているため日々の行動や思考に迷いが生じない
  • 迷いがないから時間を無駄にすることがない
  • 無駄にしない時間をほぼ全て目的のために使う

 つまり、ゴールに向けて一直線に向かっている状態です。もちろん、仮説検証の一貫で考えたりする時間はあるでしょうが、少なくとも物事に手が付かない、という迷走の時間はないはずです。思考に迷いがないということは、悩む時間がないということです。迷いがない人は早いです。確信めいて大量かつ迅速な行動を積み上げるため、それは強い、ということになります。

 一方で、目的と理由と方法がないと、悩む時間が多くなります。自分はどうなりたいのか(目的)?どうしてそうなりたいのか(理由)?どうやってそうなるのか(方法)?を延々と悩むことになります。これではモチベーションレベルでブレが生じているため、日によって行動の強弱にはムラが出ます。本当にこれでいいのか?とか、今日はやる気が出ないとか、自分は何のためにこれをやっているんだっけ?とか。方法も判然としていないため、あれこれ手薄に着手しては漂流します。結果、力点が定まらず、どこにも至ることはできずに、気が付くと無駄な時間を膨大に過ごしてしまった、となります。

 このように、私達は目的と理由がないばかりにそれだけ大きな時間を無駄にしている可能性があるという問題意識を強く持つ必要があります。

格差は、目的の有無に始まり、動機の強さで拡大し、方法の有無で加速していく。

 迷い続ける人か、迷わない人か、という差は、おそらく最初に決まっています。

 ただし、迷っている人がダメなのか?と言われるとダメではありません。迷うのが普通です。その理由は、この時代は情報に溢れており、複雑で、変化が早いからです。混乱を招きやすい時代だし、混乱する方が自然だと思うからです。それでも混乱を止める必要があります。

だからこそ、3つのポイントを固める

 ご自身にとっての成功とは何か?を定義するところから始めてみて下さい。どういう所を目指しましょうか。それが目的になります。

 次に、なぜそれを目指すのかを考えてみて下さい。本気で目指す意味があるかどうかです。ゴールに至るには多少の犠牲を払うことになります。都合よく簡単に手に入るゴールはありませんから、頭が痛くなるまで何日でも考え続けることが求められます。

 それでも分からないという場合は、人生経験や情報自体のインプットが足りないため、一旦考えるのを辞めて、がむしゃらに思い付いたことをやって、片っ端からインプットを拡大してみて下さい。そうして、時期をずらして再び考えると、今度は目的の輪郭が少し鮮明になっているはずです。

 目的と理由が固まるまでには数年かかることもあるはずです。本当にそのゴールを渇望しているか?そのゴールを目指す自分なりの動機や根拠、理由を持っているか?に答えることは実際は難しいことだと思うのです。安易に思い付いた、いい加減な目的と理由を即興で設定しても、おそらく数日したら忘れているはずです。それでは意味がなくて、寝ても覚めても熱望できる目的が欲しいです。

 「この目的を達成するために私は生まれてきた」と断言できるぐらいの水準が、私のここで言う「目的」のレベルです。目的はシンプルでも良いのですが、動機は強烈であることは求められると思います。

 例えば、私の目的は、皆に尊敬されるかっこいい企業を作ること。その理由は、沢山の人に役立って称賛されたいから。

 目的と理由は人それぞれですから、これで全くの問題はなく、素晴らしいわけですが、問題は、苦境に陥った時に、この目的と理由の深みで果たして突破できるのか、ということです。または、やる気が長く継続するだけの行動原理なのか?ということです。同じような目的と理由を考える人はきっと大勢います。目的と理由は苦難を突破できるだけの強度深みを必要としています。それは時に、苦悩や衝撃から生まれることさえあります。

 実際は重要な方法論についてですが、目的と理由が深い人ならば、いずれ把握はできるものだと考えています。その理由は、そうした人々はアンテナが高く、方法を掴むまでは決して辞めないからです。

 なお、社会人になると忙しくなり、こうした足元にある根本を忘れてしまい、仕事をすること自体が目的になっていることがあると思います。仕事が「処理すべき対象」になると、そこから先は仕事で成長することはできなくなってしまいます。仕事をするのが習慣だから仕事をしている、仕事をするのは生活のためだから、という状態ですが、これだと、たとえば、常識を突破するようなアイディアは生まれなくなったり、リスクを取れる元気一杯の若者たちとの競争にも負けてしまったりするはずです。初期の頃には誰にでもあったはずのこの土台が、いつのまにか忘却の彼方に消えてしまうのです。ですから、既に成功している方や目標を達成済みの方であっても、定期的に立ち止まって考え直すことは大切だと思います。その先が人生にはあるからです。

目的・理由・方法のアップデート

 最後に、目的地はUPデートされることがあります。動機は同じでも、別の方角の目的地が見つかることもありますし、動機そのものが変化して、全く違うベクトルの目的地を見つけることもあります。同じ目的を達成できる全く別の方法が見つかることもあります。方法は変化しうるし、改善もされるべきものです。目的も動機も方法もブラッシュアップされていくのが自然です。

 その意味で言うと、私達は生きている間、この3つを常に意識し続ける必要があるはずです。それはいつまでも若くいるためであり、最後まで自分なりの限界を突破し続けるためでもあります。目的達成によって脱力してしまったり、目的を忘却することでやる気を失ってしまうのは、もったいないです。

 1,ゴール・目的地・理想・方向性・ビジョン

 2、理由・根拠・動機・モチベーション・やる必然性

 3、目的地に至るための手段・方法・武器・技術

 今回の記事は、どの環境の人にとっても置き換えて考えていただけるよう「具体例」をほぼ省略し、抽象化に徹しています。

 目的・理由・方法の3点を明確にし続けることは、人生を活かすための基礎になるはずです。

 行き当たりばったりの反射的な行動や思い付きでの衝動的な対応をし続けるよりも、最初にあえて止まってみて、考えられるだけ整理してから動き出した方が、逆に効率的で効果的だと思います。

 この記事が何かを考えるきっかけになれば幸いです。お読みいただきありがとうございました。

 与沢翼